04月09日(日) 04月12日(水) 04月13日(木) 04月15日(土)

04月09日(日)
いろんな面白いことが次々と起こっているので、
ぜひとも書きたくてしょうがない!!

しかしネットをする暇すらない状況。
あとでまとめて書くとして、箇条書きでここ数日をまとめておきます。



☆研修二日目

村長風竹さんと燃料メーターのイカれた10tウイングで栃木県小山市へ。
トラックの墓場を見物し、帰りに大型クレーン付きトラックを引き取り戻ってくる。


職人ドライバー竹さんの年季の入ったドライバー人生に脱帽。
しかばね同然のトラックばかり操る勇ましい竹さん。(しかし床屋に半年行ってない)
ラジオから流れる玉置浩二の「ルーキー」に泣ける。
ワンカップが大好物の竹さん、すべての単位がワンカップ。
トラックの墓場で竹さんにトラックで突っ込んでくる陸送仲間、すべておジイ。(皆、無邪気で可愛い)
内陸の街で、運送屋最後の私のパートナートラックとなった医療器具配送のトラックとスライドする。
10年前2tでエンジンを爆発させた現場を通り、あの頃の自分の残像を思い出す。
面接してくれた専務はあまり権限のない人という事実。(でも事故処理担当)
数年ぶりにトラックで聞く変わらない文化放送のジングル。
質問とは全く違う答えを真剣に答えてくれる耳の遠い竹さん。
竹さんと見た湾岸線の夜景の美しさ。




☆研修三日目

ピンポンパールの梅ジンとバルーンモーリーのやよいさんが他界。(何故??)
綾戸さんの甥っ子、高知から出てきてまだ半年の21歳小野君と一緒に行動。
ピュアで擦れてない小野君、入社してすぐに二回事故。
面接してくれた専務は人の話をほとんど理解してないという事実。(ついでに綾戸さんも)
ディーラー行ったり来たり。
キャビンがひとりじゃ持ち上がらない事件。(続勤断念?!)
いきなりひとりで電車で横須賀行ってくれ宣告。(初単独陸送記念)
やけにしっかりとした小野君の背景。
横須賀のディーラーのおじちゃんの優しさ。
家に帰るとピンポンパールのジンたんとバルーンモーリーの桔梗屋さんが他界。(どうして??)



☆研修四日目


小野君と大型モータープールへ納車。
やっぱり怖そうなおねえちゃんがいっぱいの陸送業界。
やっぱり怖そうなおにいちゃんがいっぱいの中古車業界。
小野君の警備員体験日記とワルな時代。
はじめての立ち食いうどん。
明日みなさん忙しそうね、でも私はおやすみなんだもんっっ!
ウキウキ工具購入。(長距離歩きはやっぱりリュック)





そして通常ならば七日間の研修を行うはずが、私は出勤日が少ないので、
月曜から通常扱いで独立ということになってしまいましたが…






いいのか?こんなのひとり野放しにして。

04月12日(水)
さて、貴重な水曜休みです。


全身筋肉痛のこの私、おとといから研修4日でひとり立ちさせられてます。
そのあたりの話はおいおいするとして、
本日は4月4日の「長老竹さんとワンカップ編」をお届けしたいと思います。








4月4日


朝5時に起きて出社準備。


上京してドライバーを仕事に選んでから、5時より遅く起きたことは一度もない。

(犬の事業をはじめたばかりの軌道に乗るまでの数ヶ月、
早朝バイトで配送をやっていた時なんて、
10時頃寝て1時45分起床なんつー過酷な時期も一時あった)


あぁ、今度こそ確か、人並みに朝8時出勤くらいで、
少なくても夕方くらいにはあがれるような仕事を気楽にやろうと決めていたはずなのに、
また世の中が動き出す前に走り出すことになろうとは…


あぁ、あれほど時間をかけて吟味して吟味して、
創作と両立できる仕事を探そうとしていたはずなのに、
どうして私はまたこんなことになっているのだろう??


自分の“なにかに巻き込まれがちな宿命”を恨みつつ、

「明日は早出で少し遅くなるけどだいじょうぶ?」

という、綾戸さんの言葉が
“今日だけたまたま早出残業になる”
という意味であると信じ、
相棒のキューピーコーワーゴールドを飲んで朝もやの中をひた走る。

(キューピーは、カフェインが入っているので眠気対策に素晴らしい意欲を発揮してくれる)



会社に着くとインディアン村長竹本さんはすでにいらしてた。

白髪交じりの髪が肩まで伸びてて後ろで結べそう。



S 「おはようございまーす」

竹「おはよう、今日は寒いねぇ」

S 「車だけと違って電車やバスの移動があるので、何を着ていいのか分からないですね」


竹「今日はバスで引き取り先まで行くから」


会社の一番近くのバス停まで歩き、バスが来るのを待つ。


昨日、外口さん(仮あだ名、テニス倶楽部)と久し振りにバスに乗ったのだが、
路線が違えば乗り口も支払も全く違うので非常に戸惑うこととなる。

乗っているのは大抵いつもの通勤に使っている人たちばかりでスムーズに乗り降りを行うが、
私は毎回“このバスは後ろ乗りの前払い”“前乗りの後払い”等
確認せねばならなくてパニックにいたり迷惑をかける。


二人掛けの座席に竹さんと座る。
かすかなお酒と年季のはいったタバコ臭のような独特の香り。


最寄の駅に着くと、反対側のバス乗り場まで乗り換えのためまた歩く。

普段歩きなれてない身体に、地図や工具の入ったずっしりと重い肩掛けカバンが体に食い込む。

出だしからすでにきつい。(苦笑)



竹「俺は大分出身でね…高校卒業してはじめは名古屋に出てきたんだよ」


寡黙ながらも静かな口ぶりで、うれしそうに自分の人生を語り始める竹さん。

ドライバーの仕事は流れ者の多い世界。
一緒に仕事をしてこうしていろんな年代の人のさまざまな人生を垣間見るのがまたひとつの楽しみ。



竹「そこで9年間トラックの整備をしていてね…」

S「故障の多い中古車を運ぶお仕事には頼もしいですね」

竹「そしてその後某ディーラーの人に呼ばれて、こっちに出てきたんだよ。
  そこでまた9年シャーシ(箱の乗ってない魚の骨のような状態のトラック)を
   回送する仕事をまかされて…
  いやぁ、あれは大変だったよ。箱がついてないから振動をモロに食らうからね」



10年の節目にまったくこだわらない竹さんの自然さがとてもいい。


バスを乗り換え5分ほど走って降りたところにある某ディーラー。
今日はここから大型を引き取り、栃木県小山市まで運ぶ予定となっている。





竹「大型はキャビンを上げなくても点検できるから…」


オイルや冷却水、ライト関係やタイヤ、傷など一通りの点検をして、
燃料をチェックしようとする竹さん。


あ、昨日テニス倶楽部外口さんに習った公式ね。

折尺といわれる折りたたみの出来る定規でタンクの縦と横を測り、
燃料の中にそれをつっこみ、深さを測ってそれぞれをかける。

縦×横×高さで体積を割り出し、それを1000で割ったものに、
2tなら8、4tなら5〜6、10tなら3をかけると、
だいたいどれだけ走れるのかが計算できるというヤツだ。


折尺の準備をしようと思っていると、竹さんおもむろにトラックの後ろに回り周辺を散策しはじめる。


竹「桜が綺麗だなぁ。つくしも生えてるじゃないか…」

S 「そ、そうですねぇ」


つくしの生えた草むらから適当な棒を拾ってきて、いきなり燃料タンクに突っ込んだ!



竹「んー…このくらいあればいけるだろう」


うわぁぁぁぁ!

熟練の竹さんには方程式も測りも無用、長年の勘だけが頼りなのだっっ。



竹「ん?この車、燃料ゲージが壊れてるな…」

S 「そういう車って結構あるんですか?」

竹「こんなのはまだいいほうだな」


いいほうなんですか…



「すみませーん、陸送屋さんですか?
  私も神戸からきた陸送屋なんですけど…まだ入って一週間しか経ってなくて…」


おろおろとした腰の低い中年のおじさんが近寄ってきた。
あきらかにドライバーとは違う職種からの転職だとすぐ分かる。
(何故?と言われても分かるんだもん)


「△△-△△△△△△という車番の車を引き取るように言われているんですが…」



この車体番号というのが曲者だ。

ナンバーのついてない車を運ぶゆえ、確認するのは車体に刻まれたその番号となるのだが、
大抵タイヤの陰やキャビンの下の目立たない場所にある上、
車種によって書いてある場所が違うので、こいつがなかなか見つけられない。

そして私たち素人は、羅列するローマ字の意味がまだ理解できてないので、
それがどんな車なのかも全く検討がつかないのだ。


竹「んー…それは4tだな。あっちにあるあれじゃないか?」

「あぁ、そうです! 新車って言ってましたから。ありがとうございますぅぅぅぅ」


竹さん頼もしいっっ。



ディーラーのネクタイ姿のおじさんたちが、朝礼のために外に出てきた。
その中のひとりに預かり伝票を渡し、竹さんの運転でいよいよ出発。


細身の竹さんは褐色でシワだらけの表情のわりに、
背筋がピンと伸びていて無駄なぜい肉がまったくない。
身長なんて私より小さくて、今にも脳卒中や心筋梗塞で倒れてしまいそうなほど危うい風貌なのに、
体つきや身のこなしだけ見ると、その辺の人よりずっと若々しくも思える。

伊達に長年荷物を背負って日本各地を歩き続けていないのだ。

中年ぶとりのディーラーのおじさんたちを蹴散らして、大型で悠々と飛び出していく竹本さん。


かっこいい!
このジイさん、めちゃめちゃかっこいい。



尊敬のまなざしで寡黙な職人インディアン村長風の竹さんを師と思う。





竹「さて、どの道でいこうかな…」


安易なUターン不可能な大型に乗ってても地図なんて見ない。
竹さんの頭の中には日本列島の道はしっかり入っている。


竹「○×線をぬけて環八に出るか」

S 「都心部はやはり避けた方がいいですね」

竹「うん、この車の程度はいいよ」


ん?竹さん、質問と答えがかみ合ってない…
言葉はハキハキしてるけど、さすがに耳は遠いのかな。



竹「エアコンや暖房がきかない車なんてしょっちゅうだよ。
   雪国に引き取りにいって大雪の中で暖房の効かないトラックで
   凍え死にそうになったりすることもしょっちゅうだな」


S 「うわ…」

竹「いつかなんて燃料が凍結してしまって、
   峠のドライブインでエンジンがかからなくなってしまってね。
  あの時もまいったなぁ…」


S 「ど、どうしたんですか??」

竹「一緒に行ってた人がいたから助かったな。
   そっちの車を動かせたから、走っていってお湯をもらって溶かしたよ」


S 「もしひとりだったらどうするんでしょう?」

竹「…そうならないようにすることだなっ」



答えになってないしっっ!




S 「こんな主要道路で大型が止まったら、首都圏をひとりで大渋滞にしますよね…」

竹「排気ブレーキはいれないことだな。黒鉛を吐いてそのまま戻らなくなったことがあるから」

S 「はぁ…」

竹「雪道はチェーンなんて巻かないで走るなぁ。陸送屋はチェーンなんて持ち歩けないしな」

S 「はぁ…」

竹「ガス欠になっていくらエアー抜きしても全然ダメな時もあるから覚えておいたほうがいい」

S 「え?ダメってどういうことですか?」


竹「いくら燃料いれても燃料が流れていかないんだな」

S 「そういうときはどうすればいいんでしょう?」

竹「…そうならないようにすることだなっ」



答えになってないしっっ!



これがよりによって大型でですよ。
普通乗用車でだってパニックなのに、
こんな大きな物体をたったひとり僻地でどうしろというのよ??


本当に私につとまるのか??

思わず不安でいっぱいになる。




S 「仮ナンバーもなくしたら5万円だっていうし…」

竹「よくネジが外れておっことすから注意することだな。
   …あっっ!ナンバー付け忘れたっっっっっっ!!!」




慌てて有料道路へと続くバイパスで、合流の白線地帯につっこんでいく竹さん。


後ろや斜め後方から、バンバン車が突っ込んでくる。
こ、こんな微妙なところに停めるんですかっっ。



竹「危ないからあんたは乗ってなさいっっ。轢かれるぞ」



轢かれるようなところに停めないでください(苦笑)


ナンバーのつけ方を確認したい私は、トラックを降りて後ろに回る。


横を突っ切っていく擦れ擦れのトラックや乗用車たちに戸惑いながら、
車内で聞いた数々のトラブルと、今までの私のトラブルを思い出し、気持ちがどんどん沈んでくる。


無理無理無理っっ、私には無理っっ!!

整備士のいる運送屋の車でだってあんなにトラブルがあった私が、
こんなボロボロの車ばかり乗って、何も起こさないわけがない。

だいたい私が面倒みきれるのは4tまでだ。
4tだったらなんとか自力で対処できよう。
チェーンだって、スパルタ師匠の教えのおかげでなんとかひとりでつけられる。

でも大型は違うのだ。

こんなの無責任に私が転がしていいものか?


ブルーに拍車がかかってとめどなく落ち込んでいく私。



と、その時。



車に戻るとちょうどFMラジオから流れてきたのは玉置浩二の「ルーキー」





♪なんだって精一杯やってる君を
 思うとなんでだろう涙こぼれる

 倒れそうだって 這いつくばってだって
 泥んこになってだって空を見上げて

 なんだって頑張ってやっている姿を
 見てるとなんでだろ胸が痛くなる

 うまくいかなくたってなんとかなるさって
 君のためならいつだって笑っていよう
 笑っていよう♪





あまりのタイミングの良さに思わず涙がこみ上げてくる。


♪うまくいかなくたってなんとかなるさって♪


そうだ、今までだってなんとかなってきたじゃない。
そして後には散々ネタにして笑ってこれたじゃない。

よし、気持ち持ち直した。

ありがとう浩二、涙がこぼれ胸が痛くなったのは私のほうだ。


(単純な私の脳みそもありがとう)



TomやLeeさん、ぼぶが住んでいる内陸の街に向かって、
走りなれた環八を違う高さから眺める。
大型のキャビンから見る、とまったく違った街並みが広がるから不思議。


S 「以前、この辺に住んでいたんですよ」

竹「…そうか。このあたりはよく来るようになるよ」



向こう側から見慣れた4tトラックが走ってくる。

おぉ、あれは、小崎くんたちと医療器具を運んでいた頃の、
私の配送人生最後のパートナーだったトラックだ。
(2002年8月30日日記参照)


何処に行ってもいろんな仕事やコースを持たされた私は、
特定のマイトラックをほとんどもったことがない。

青果配送の会社ではとりあえず朝は指定された車に乗るものの、
午後からのフリーの仕事の内容で違う形の車に乗り換えた。

ルート配送だったあの医療器具の会社は、
ちょうどコースと車が増えた時の募集で入社したため、
めずらしく新車をあてがわれたのだった。

あの頃のメンバーは今誰一人残ってないと聞く。

あの時22699キロでミオちゃんに渡したあのトラックは、
4年近くたった今、私を乗せずに一体何キロ走っているんだろう。







ちょうどTomの家の前の国道を通過する。

真っ白な地図の自分の通った道に赤線を引くとするならば、
この道は線を引きすぎて穴が開くほどマッカッカだろう。

2tで和食レストランのルート配送をしていた時も、4tで青果配達していた時も、
さっきのトラックで医療器具を配送していた時も、
この真っ直ぐと群馬まで続く国道を早朝、眠気と戦いながら走ってた。

都内のせせこましい道と同じ位、いやそれ以上にこの道は、私の残像がしみこんでいる。




竹「そういえば、仲間が乗っていたトラックが先月突然炎上したなぁ…」

S 「な、なんですか“突然炎上”って??」


竹「原因はよく分からないけど、なんせトラック燃えちゃったしなぁ」

S 「ドライバーさんは?」

竹「煙が出てきてまずいと思って離れたから平気だったようだ」

S 「それはそれは…」

竹「そこまでいかなくても、エンジン焼いちゃうくらいのことは時々あるなぁ」

S 「あ、私、まさに10年前2t車でこの先でやりました…」




…10年前の真冬の早朝4時半。

世間は正月休みに入っている年の暮れ。

突然オイルゲージが上昇し、ボン!と音がしてエンジンストップ。
慌ててハンドルを切り路肩に停めるも、その先どうすることも出来ない。

当時まだ携帯もなく、遠く離れたスタンドに駆け込み、事情を話してきてもらう。

キャブを持ち上げたお兄さん。

「あ〜、これはダメですね。会社の人に来てもらったほういいですよ」


寝ている所長とヌカ漬け男を電話で起こし、寒空の下国道沿いの縁石に腰掛けて救出を待つ。
キャブの開いた車内には乗り込むことが出来ないからだ。

そんな時間、スキーを屋根に積んだスキー客くらいしか通らない。
いちいちこちらを見ては同情顔して通り過ぎていくのを鬱陶しく思いつつ、
あんまりな自分の人生を呪いながら、救出がくるまでの一時間半夜空の星を見上げてた。



そんな現場を今竹さんの運転で10tで通り過ぎる私、感慨深い…




途中路肩に車を停め、もう一度燃料の確認。

竹さん曰く、メーターが壊れているのでちょっと心配…ということだ。


周囲がやけにおしっこ臭い。

こんな国道のど真ん中、犬の散歩をするわけがない。
きっと大型ドライバーたちが停まって排尿するんだろう。


相変わらず適当な棒をつっこんで確認する竹さん。
折尺を持ってないところを見ると、こうして毎日棒探ししてるのかな。


竹「だいじょうぶ、これなら入れなくてもいけるな」


その確証は竹さんの長年の勘から割り出されるのね。



竹「あれ…目印の旭町の信号がない…」


最近新しい道が次々と出来ているため、地図と実際の現場が違う事が多い。
適当なところに車を停めて、周辺のドライバーに声をかける竹さん、馴れたもん。


目的の工場に無事に車を納める。
ここからトラックオークション会場まで移動しなければならない。


竹「40分くらいあるけど…歩けるか?タクシーはできれば使いたくないんだよな…」

S 「あぁ、歩きますよ」


伝票を渡すために車屋のおじさんに声をかける竹さん。


竹「ここからオークション会場まで歩くとどのくらいあるかなぁ」


知ってるくせに。


車「いや〜、歩くと結構あるよ。歩くもんじゃねぇなぁ。タクシーでも呼ぶか?」

竹「んー…」



竹さん黙る。


車「…んじゃあよ、うちのヤツに送らせるわ、ちょっと待っててけれ」

竹「おぉ、それはありがたい!」



絶対そう言わせるようにしむけたでしょ!!

結構ちゃっかりしてるんだから。



車屋さんに送ってもらい、オークション会場に悠々と到着〜♪




トラックのオークション会場って知ってますか?

私はもちろん初体験です。(一般の人は入れないしね)

下はコンクリートでもなんでもなく、砂利と砂が入り混じった悪路。
飛び石なんて当たり前、排ガスと粉塵が舞って咳き込みそうだ。


タンクローリーや汲み取り車、見慣れた大手運送屋の会社の車から、
ヘッドが滅茶苦茶になった事故車まで、大小問わずありとあらゆるトラックが、
林の中のただの広い空間に所狭しとトラックが並べられている。




竹「事故車もいっぱいあるだろ。部品取りのために出てるんだ」

S 「は、はぁ…」


頭にターバンを巻いた白い衣装の外人さんたちが、それらの車を物色している。


竹「排ガス規制がかかって、古い車はこっちじゃ乗れないからな。
   こんなボロもみんな海外に持っていくんだよ」


S 「私が運送業界を離れていた3〜4年の間に、古い車はみんな使えなくなったと聞いて、
   じゃあもし今度トラック乗っても、
   今までのようなオンポロに当たって苦労することはないだろうな〜♪
  と、思っていたんですけどね…」


竹「この仕事はそんな車ばっかりだ」

S 「は、ははは…」



「よう、竹ちゃーん!」


トラックに乗ったジイさんが突進してくる。


竹「おぉ、今から引き取り?こちら新人さん」

「お、がんばれよっっ!」



その後も、



「おー、竹ちゃん元気ぃぃ?」

「竹ちゃん変な事教えちゃダメだよぉぉぉ」


次々に無邪気なオジイたちが満面の笑みで突っ込んでくる。

その少年のようなイタズラなやりとりがなんともカワユイ。



竹「長年の陸送仲間だよ。
   さっきの人は別の会社に移ってまた陸送はじめた仲間。
  みんないいジイさんたちだけど元気だよ。
   定年がないから辞めないでいつまでも走ってる」




なんかいいなぁ。


ここで引き取るのは大型のクレーン車。

かなり年季がはいってる。





竹さんがエンジンをかけた途端、



ぶはぁぁぁぁぁ〜


エアコン口から真っ茶な埃が噴出したぁぁぁぁ!



漫画か?
これは漫画か??




竹「ゴホッゴホッ、こいつはすげぇなぁ」

S 「うわぁ、中も酷いっすねぇ」




竹「この車種は水はここで見るんだ」



そんなの知らなかったら一生ひとりじゃ見つけられません。


竹「車体番号はこのタイヤの裏側に…」



番号確認するだけで全身真っ黒です。



竹「水が足りないからもらってこよう。
   帰りは運転してもらおうと思ったけど、これは俺が運転する」



うわーん、私が運転するとヤバいくらい壊れそうってこと??




点検をして青白い煙を噴出しながら出発。


S 「本当、すごい車ですね…」

竹「いやいや、まだいいほうだこれなんて。うん、いいほうだ」



いいほうなのか!



竹「売り飛ばすトラックなんて誰も掃除も整備もしないからなぁ」

S 「今まで稼がせてくれた分、最後は綺麗にして里子に出してあげればいいのに」


それにしてもどの車も中が汚いことっ。
助手席に乗るだけで全身汚れる。

明日からは服装も少し考えなくては。


竹「あそこのトラックはバッテリーあがっててエンジンかからないこと多いから、
   一発でかかるだけで御の字だな」


S 「はぁ…」

竹「これは遅くなりそうだから、埠頭に持っていかずに会社に持って帰って明日の朝納車しよう。
  高速乗らないと何時になるかわからないから途中から乗るよ」


S 「そういう臨機応変の変更っていうのもあるんですね」

竹「うん、湾岸線を使う予定だよ」



だから質問と答えが違うし(笑)



午後三時半過ぎ。
途中大型可のコンビニに寄り、ようやくお昼にありつく。

お腹ペコペコで死にそう。
買うのはやはり、走りながらでも食べられるおにぎりやサンドイッチ。



竹「コンビニなんかで車離れるとき、仮ナンバーを盗まれることがあるから気をつけて」

S 「これ、ほしい人いるんですか?」

竹「外人さんなんかよく狙ってるよ」


私の5万円をどうしてくれるっっ。


S 「バッテリーつないで動かしてきた車って、こういうところでもエンジン切れませんよね」

竹「そうそう、エンジンかけっぱなし」


自分の車じゃないから合鍵もないし、いちいち大荷物持って降りなきゃいけないのか…。




竹「時々忘れてエンジン切っちゃった人がいて動けなくなって大変だよ」

S 「ケーブル積んでないし、そういう時はどうしたらいいんでしょ?」

竹「その辺の運ちゃんに声かければなんとかしてくれるよ」



そーゆーことか!





RuRuRu…



綾戸さんから電話が入る。


綾「お疲れ、明日はどうします?」


どうしますもなにも、私は休みのはずだよね??

なに、出ろというのか?



S 「えーと…明日は休み…ですよ、ね?」

綾「あぁそう、わかりました」   ガチャン



なんで?


水曜休みって約束じゃないっすかぁぁぁ??
研修中だから出ろってか?
根性見せろというのか?



まるで私が悪いみたいじゃないかぁぁぁぁ!







竹「昨日は伊豆まで外人さんのワゴンに乗せられて行って、
   あっちから大型引き取ってきたんだけどね」



が、外人さんのワゴンで伊豆まで…


S 「それで今日栃木じゃ厳しいですね」

竹「いや、普段から三時間睡眠で長距離走ってるから、そのくらいは平気だな。
  たま〜に六時間も寝てしまうことがあるけど反対に調子が悪い」





どんなタフなジイさんなんだ!




竹「今日は天気がいいから仕事の後のビールがうまいな…」

S 「そうですねぇ…」


寡黙ながらに淡々と話をふってくる竹本さん。



竹「でも、俺はビールはそんなに好きじゃなくてね…」

S 「何が好きなんですか?」

竹「酒だね」

S 「あ、日本酒」

竹「ワンカップ。ワンカップ大関が一番だ」

S 「ワンカップ大関」

竹「他の酒を飲ませてもらっても、どうもしっくりこないんだな。
   やっぱりこれが一番いい、と結局ワンカップ大関に戻る」




ワンカップ大関が最高の楽しみな、平均睡眠時間三時間の竹さんのドライバー人生…


なんかいい。




竹「どうしよう、ここから高速乗ろうかな…」

S 「えー、ここまで走ってきたんだから首都高まで我慢しましょうよ」

竹「そうだなぁ、ワンカップ三本は買えるもんな、我慢だ我慢」




ワンカップ大関がすべての目安と単位になってる竹さんのドライバー人生…



すばらしいっ!




毎日妹分ミカちゃんたちとスイカを積んで走っていたハープ橋。

エアー切れを起こしてパニックになったレインボーブリッジ。

そして迫り来る躍動感が脳みそを最高潮に達しさせる大好きな鶴見つばさ橋。


美しい湾岸線の夜景を眺めながら、あらためて竹さんと私のドライバー人生を振り返る。



都心部を10年なんてドライバーとしてまだまだひよっこ。
そんな私でもこれだけの足跡があるのだから、
竹さんは全国各地、どんな経歴を残してきたんだろう。



竹さんと今日、一緒に仕事出来て本当によかった。







八時頃会社に戻ると、綾戸さんがひとり待っていた。




綾「お疲れ、どう、やっていけそう?」

S 「あ、はい、がんばります…(苦笑)」

綾「……」

S 「……」

綾 「本当は明日出てもらうつもりでいたのよねーっ」


ちょっと呆れたというような表情で言い放つ。



S 「え、あの、出た方いいですか?配車、だいじょうぶですか?」

綾「もういいわ、なんとかしたから。気にしないで。じゃ、お疲れー」



“それだけ”言いたくて待っていたかと思うほど、“それだけ”言って速攻で帰っていった。



“気にしないで”という口ぶりじゃないじゃーーん!!!!




多分言いたいことは言っておかなきゃスッキリしない方なのね…




私は休む。

じぇったい休む。

約束だもん。

悪い事なんてしていないもん。


こーゆー時についつい「出ます!」と言ってしまうヘタな意地のせいで、
長年やりたいことを棒に振って遠回りしてきてしまったんじゃないか。




休むったら休むぞー!

04月13日(木)
続きましては「元荒くれ小学生の土佐っ子ブルース編」をお送りいたします。





4月5日



休日は翌日の配車を聞くため、夕方綾戸さんに電話をかける。



綾「明日は7時に会社来て。小野っていう若い子がいるから」

S 「どういう流れになりますか?」

綾「30キロくらい離れたディーラーの車を往復二回ほど」



なるほど。

若い子か…いくつぐらいの子なんだろう。
あの会社なら若いといっても、40くらいの人のことかな。


7時に会社ということは、一時間前に起きて仕度をする私にとって、
結局5時起きということを示す。

早いとこ寝て明日に備えよう。





4月6日



研修三日目。



朝起きるとピンポンパールの梅ジンとバルーンモーリーのやよいさんが死んでいた。

働きに出たといっても、水換えはちゃんとしていたし、ご飯だっていつものペースだ。

一体どうしてなんだろう…。





15分ほど早く会社に着き、地図を広げて待っていると、大柄な若い青年がひとり入ってきた。



小「おはようございまーす!」

S「あ、確か綾戸さんの甥っ子さんの…あなたが小野さんだったんですね」

小「はい、そうですっ」

S 「高知から出てきてまだ半年とか?」

小「そうそう、警備員以外だったら何でもよかったんで」



小野君に連れられ、電車を三回乗り換え目的のディーラーに。




S 「カクカクシカジカでこーゆー形で何故か巻き込まれる形で入社することになってね…」


小「あー、専務は人の話まったく理解してないみたいですよ」

S 「なんか、外口さんも竹さんも“あの人は別になんの権限もない人”とか言ってたけど…」


小「綾戸所長がすべて仕切ってますよ。所長は天越さんのスタンス知ってるんですよね?」

S 「確かそのはずで入社したんだけど、
   昨日なんかも休みのはずが“出てもらおうと思ってたのに”とか言ってるし、
  分かってるのかなぁ…」


小「あー…、分かってませんね(笑)」

S 「はあ」

小「あのふたりは人の話を理解してませんから(笑)多分伝わってないと思います(笑)」


S 「うはははは、どうしよう。しかしなんでそんな専務が面接してるの?」

小「なんででしょうねぇ」



もっと面白い…いや、恐ろしいのはそんな専務が事故処理担当だということだ。

あれじゃあ話し合いにもならないだろうよ。(あ、反対にそれを狙っているとか?)




小「所長も話が通じないので結構理不尽なことありますけど、
   僕は大きいこと言えないからなぁ…」


S 「ん?お世話になってる叔母さんだから?」

小「いや、入ってすぐに二回も新車で事故っちゃったから…」

S 「あぁ、綾戸さん言ってたなぁ」

小「1回免責10万、計20万しっかり払わせられましたよ」

S 「随分厳しいね。今までの会社そんなのなかったよ」

小「自分のところの車ならまだしも、お客様の車ですからねぇ」



なるほど。



それにしても荷物が重い。

乗り換えのための階段の上り下りが激しく辛い。

その上朝の通勤ラッシュ。
すし詰め状態でギュウギュウになって死にそうです。

上京したての頃、この通勤ラッシュと痴漢が嫌ですさまじく早い電車に乗ったり、
連結部分に逃げ込んでいたものだった。

最近はすっかり車通勤に慣れていたので、こんなラッシュは本当にしんどくて仕方ない。





小「そうですね〜、辞めていく人はバスや電車の乗り継ぎが嫌で辞めていきます。
  僕もはじめはなんだ??と思いましたけど慣れですね」


S 「そして結構駅やバス停から歩くでしょ、これがまたきついね」

小「僕は高知の山の中で育ちましたからそれは平気です。
  隣の家まで200メートルは離れているようなとこですし、
   学校までも自転車で10キロかけて通学してました♪」


S 「東京出てきていきなりこういう仕事やったら無敵だね。
   道だけじゃなくて電車やバスまで詳しくなれる」


小「こっちには友達もいないから仕事ばっかりですけどね」

S 「会社若い子いないもんね。20代は君だけだっけ?」

小「そうです。でも、同世代とは話が合わないからいなくてむしろいいですよ」


そうだろうねぇ。

異常なほどに礼儀正しく、21歳とは思えないほどしっかりしている。
見た目もふくよかでおっとりしているのでかなり落ち着いて見えるし、
私と同い年と言われても納得してしまう。



S 「私もずーっとそんな感じだったよ。
   何故か同世代とは話合わなくて浮いて、気が付くとおっさんとばかり仲良くなってた」


小「若い子たちが興味あるもんなんて知らないし、イマドキの音楽もわからないっす」


S 「んー、でもここは年配者ばかりだから可愛がられているでしょ」

小「僕、なぜか年配者から可愛がられるんですよ。
   警備員時代も若い人いなくてみんな良くしてくれたし」


S 「こっち出てきて東京地元の同世代と同じ職場で働くと、
   金銭感覚やノリの違いで孤独を感じる地方出身の子って多いよ。
  私も昔はそう感じる職場もあったもん。小野君の場合ある意味恵まれているかもね」


小「あぁ、そうかもしれないですねぇ」



激しいラッシュを乗り越えて、駅から10分ほど歩いたところでようやく目的のディーラーに到着。


ふぅ〜、相変わらずここまで来るだけで体力を使い果たす。
すでに体はボロボロだ。



小「ここのディーラーはまだいいほうですよ。近くにコンビニもあるし駅からも遠くないし」


どんなところがあるんですか!



今日は小野君の助手席ではなくて、個々に一台ずつ運転して移動する。

車は2tなので心配なし♪




と、思ったら、キャブが重たくてあがらないっっっ!!


そういえばそうだ。

かつて事故からの復帰で左半身に痛みを抱えた私は、
ねーやの2tトラックの横のあおりが持ち上がらず、
勤務する事を断念させられた記憶が蘇る。

これが4tだと大きいゆえに軽いアルミで出来ていたり、
軽く持ち上がるようバネがついていたりするのだ。

そして2tの平ボディほど体に振動をダイレクトに感じるものはない。
4tであれば座席にクッションがついていて衝撃を和らげてくれるのにっっ。

恐るべし2t、私の宿敵2t!!



断念か?

これは勤続断念か??



小「現場には誰かしらいるので手伝ってもらえばいいんじゃ…」

S 「毎回毎回そうはいってられないでしょう。ちょっと待って練習させて…」



うんしょ、うんしょっっ!


テコの原理を利用して、なんとかひとりで上げられるように練習する。



うんしょ、うんしょっっ!


はぁはぁはぁ…


これだけで全身疲労がかけめぐる。

こ、腰がぁぁぁぁ。
う、腕がぁぁぁぁ。


死ぬ〜。
死ぬ〜。


よし、大丈夫だ、あがる、ひとりでもあげられるっっ!


小「屋根の上になんか乗ってるヤツとかマジで重いっすよ。俺でも時々苦労しますもん」





うそぉ〜んっっ。




30キロほど離れた同じディーラーまで走り、そっちからまた別の2tを引き取り戻ってくる。
修理したものと修理するものを、こうしてディーラー間でまわしているようだ。





それにしてもやっぱり中が汚い。
工事現場などで使われている車だろうか。

1日でカバンや服がドロドロに汚れる。





小「さて、この車を会社の車庫に持って行けばとりあえず終了ですね。
   僕はその後何か入るかもしれないけど。
  天越さん、お昼買うならこの先にコンビニありますよ」



わ〜い♪


おにぎりとお茶、本日の師匠小野君にはおやつを買って…


小野君の元に戻ると、会社からの電話を対応している様子。


小「天越さん、急遽変更になりました。天越さんはこのまま電車で横須賀に飛んでください」


は?

ちょ、ちょっと待ってくださいね、とりあえずここは何処ですか?
いやいや、つまり、何線の何駅で、どこをどう行けば横須賀に辿り着けるというの??

頭の中がパニックになる。


小「僕も急ぎの仕事が出たんです。
   えぇと、天越さんは急いで1回乗り換えて横浜まで行き、
   横浜発13時46分か14時1分の電車に乗って下さい!そうじゃないと厳しいですっっっ!」



携帯のナビウォークの「乗り継ぎ案内」で検索した情報をそのまま読み上げる小野君。


ちょ、ちょ、ちょっと待ってくださいよ、今乗り換えっていいました?
で、それに乗らないと厳しいってか??


小「横浜では必ず快速特急に乗って下さい。
   そうじゃなきゃ横須賀まで二時間はかかってしまいますよ、さあ早くっ!!」




うわーんっっっ、考えさせてよぉぉぉぉぉぉ!


慌てて駅まで駆け出す私。
おにぎりもゆっくり食べてる暇もないのかっ。

えーい、こうなりゃ歩きながら食べてしまえ!
誰かが見ててもかまうもんかいっっ!

原宿でクレープを食べ歩きするようなモンじゃあないか(大分違う)


…こうしてまた、大事な何かをなくすのね…




後ろから早足で追いかけてくる小野君。




S 「あれ?小野君も行くの?」

小「はい、横浜までは行き方一緒です」



んじゃはじめから一緒に行こうよ!!



小野君の強靭なスペシャル早足についていくだけでヘトヘトになりつつ、
一応乗り場の改札まで見送ってもらい、ようやく電車でゆっくり出来た。


さすが快速特急。(特急も無料で乗れるのね、知らなかった)
“世界の車窓から”風のしっかりとした電車で、旅行だったらどんなに楽しいことだろう。



ふぅ〜。

電車内で余裕で本を読めるようになるにはどれだけかかるんだろう。

今度は引き取り場所を探すために事前に予習。
それがなくてもヘロヘロなので、一秒でも目をつぶっていたい。
しんどくてしんどくて、とてもそんな余裕はない。



はるばる横須賀の某駅に到着。

なんともローカルな駅を出て、駅前の歩道橋に登ると目的の引き取り場所はすぐ近く。


小野君の話じゃかなり離れている感じだったからラッキー♪



てふてふと受付カウンターまで歩き、はじめてひとりで引き取りを行う。


S「○○ですが、お車の引き取りにきました!」(テキトー)


こんなあいさつでいいのかしら。


「あぁ、ちょっと離れたところに停まってるから、車に乗っけて連れてってあげるよ」



ツナギ姿の工場のおじさんに軽に乗せられ、5分ほど離れた駐車場へ。



「最近はどう、忙しいかい?」

S 「(これが初めての引き取りなんだけど…)そうですね〜、三月のほうが忙しかったので、
  最近は落ち着いたみたいですね(←みんなの受け入り)」


「そうだねー、三月はなぁ。しかしあんたも大型乗るのかい?」

S 「はい、まぁ一応(乗ってないじゃん)」

「トレーラーなんかも?」

S 「頭だけなら(おとといはじめて)」

「あぁ、陸送のトレーラーに車乗せて走る事はしないのか〜。
  すると一台いくらって感じで走ってるんだね」


S 「はい、そうです(いくらか知らないけど)」



軽く世間話をして、おじさんの前で点検してみせる。

さっき教えてもらったばかりなのに、いかにも慣れた感じでやる私。我ながら笑える。


3tの平ボディ。
さっきまで乗ってた2tよりやや大きい。


引き取り書をおじさんに渡し、いよいよ初の単独陸送。
地図をみりゃどこにだって行ける私が頼もしい。




それを順調に納車し、そこからまた一台2tを引き取り、会社の駐車場まで帰ってくる。


ふぅ〜、予定よりずっと早く着いた。



…が。


はて、ここから会社へはどうやって帰ろう。

会社の駐車場といってもここは、会社から車で10〜15分ほど離れた山の中。
近々ここに会社ごと移動するらしいが、今はただの駐車場。

駅はかなり離れているし…どっかのバス停でバスに乗るのか?
何行きのバスに乗ればいいのだ。


S 「すみません、天越です。今会社の駐車場に着いたのですが、
   ここからの経路を教えていただけませんでしょうか…」



会社に電話をすると、すでに帰っていた小野君がミニバンで迎えに来てくれた。

ん?会社の足車じゃないな。



小「お疲れ様です、早かったですね!」

S 「おかげさまで無事に帰ってきましたよ〜。この車小野君の?」

小「いいえ、外口さんのです。僕はインプレッサかRX8しか今の所買う気ないっす」

S 「へー、走り屋系なんだね」

小「そうっす、車の趣味だけはイマドキの子でしょ(笑)」

S 「どうなんだろ?最近は男の子でもオートマ免許取っちゃうらしいから分からないけど」

小「信じられないっすよねー」

S 「じゃ早くお金貯めて車買わなきゃね」

小「一人暮らしだとなかなかなぁ…それに俺、今度事故ったら田舎に帰らされちゃうし、
   親父がそろそろヤバいんで、亡くなったら家を継ぎに帰んなきゃいけないだろうしなぁ」


S 「ん?何か商売でもやってるの?」

小「そういうわけじゃないんだけど、母親ひとりになっちゃうし。
   あっちに弟と妹がいるんだけど、弟が継がなきゃ必然的に僕がね」





みっちーひとりになろうがおかまいなしの私と違って、なんて親思いの子なのかしら。




外「いやいやお疲れ様。研修中だというのにコキ使ってごめんね」


会社に戻るとテニス倶楽部外口さんが配車をしていた。
綾戸さんは体調がすぐれず帰ったらしい。


外「明日は八時に来て近場の回送ニ発でおしまいいだからね」



わー、そのペースでお願いしまーす〜っっっっ!!



元々週四回くらい、時給800円くらいのきままな短時間バイトを探していた私ですっ。


“近場じゃ稼げない”とか“長距離いかせてあげる”とか“大型じゃないと生活厳しい”とかいう概念は、
この際なしにしてくださーーーい!






この日帰宅すると、
今度はピンポンパールのジンたんとバルーンモーリーの桔梗屋さんも危篤状態。

帰宅時かろうじて生きていたジンたん、
私の姿を見て安心したかのように、一時間後私に見守られて星になった。










4月7日





朝起きると桔梗屋さんも他界。
予想はしてたがあまりに切ない。


まっしゅの反乱だけでなく、魚たちまで私のバイトを歓迎していないというのか。
それとも珍獣があてつけに毒でも盛っているのだろうか。




会社に行くと、小林さんという30代くらいのメガネをかけた方と小野君がいた。

綾戸さんの運転する車に3人で乗り込み、会社の駐車場でそれぞれ指定された車に乗り込む。

小林さんは昨日私が引き取ってきた2tに乗り、ディーラーへ。
私と小野君はそれぞれの車に乗り込み
一緒に30キロほど離れた大手レンタカー屋の大型モータープールへ。



あらゆる陸送会社が一挙に集まる様子のそこのモータープール。

女の人がいるかと思えばやはり金髪に厚化粧系の、絶対元レディースだったでしょ??
風おっかなそうなおねぇちゃん。
(そういう人は結構優しいんだよ、的な話はこの際置いておいて下さい)


そこから2tを引き取って、小野君と一緒に25キロ離れた中古車屋さんに。

男の人たちがいるかと思えばやはり金髪にパンチ、ヒゲ系の絶対元特攻隊だったでしょ??風の
おっかなそうなおにいちゃん。
(そういう人は結構優しいんだよ、的な話はこの際置いておいて下さい)


そして圧倒的に、
受け付けのおばちゃんは金髪で男勝りのドスの利いた女性がいる確立が高いと知る。

何故?何故?何故?
中古車屋さんってどうしてそんなにコワオモテなの????



この前面接のために電話した別のトラック専門の陸送屋さんに

「この業界は女の人だと狼の中に餌を入れるようなもんだからやめといたほうが…」

と、言われたが…


やはり荒くれ者が多い世界なんですか???




そこから通りに出てバスに乗り込む。



小「ここ、結構来るんでバスも覚えておいたほうがいいですよ」

S 「そうか、ありがとう。…小野君もし田舎に帰ることになったら今度は何するの?」


小「警備員以外ならなんでもいいです」

S 「昨日も家帰ってふと思い出したんだよね、その台詞。そんなに警備員って辛いの?」

小「もう、普通に轢かれます。僕なんて何回轢かれたことか。
   トラックやバカなヤンキーカーなんて、
   人の指示なんて聞きませんから平気で突っ込んできますし」


S 「うわ、そーなの?」

小「特にショッピングモールの入口ね。
   僕はそこで四回も殴り合いしましたよ、一度なんか3人に囲まれて…」


S 「ボコボコにされた?」

小「いや、ボコボコにして病院おくりにしてやりました。
   本当は警備員がトラブル起こすと現場首になるんですけど、
  そのショッピングモールの人は僕のこと気に入っててくれて、大丈夫でしたが…」

S 「そ、そういう世界なの??私今まで警備員に逆らおうなんて思った事なかったから、
   警備員さんがそんな危険な目に合ってるなんて思いもしなかったよ!老人の方が多いしさぁ」


小「あんな仕事若い人はやりませんよっ、だから老人ばかりなんですよ」

S 「こっちのほうでは日雇いのバイトとして
   結構若い人たちの定番の仕事となってるっぽいけど…(何人か経験者いたし)」


小「田舎のほうとはまた違うのかな?1度なんて車のボンネットに乗り上げたことありますよ」

S 「恐ろしい…しかし小野君もやられっぱなしじゃないのね」

小「僕、小学中学とかなりやんちゃしてたんですよ。もうキレ易くて喧嘩ばっかしてて。
   そのせいか、中学後半から高校くらいではすっかり落ち着いちゃって、
   みんなに信じられない!って驚かれてましたよ」


S 「中学後半から高校って一番不良のピークの気がするんですけど…」

小「その頃みんなが悪くなりはじめてるの見て、
   “まだそんなことやってんのか?ガキだな〜”って思ってました」

S 「なるほど、それで今もキレるとおっかない、と…」

小「滅多に切れませんけど、相手から手を出されてまで黙っちゃいませんからね。
  普段おとなしいヤツほどキレると怖いって言うでしょ」



今のおっとりとした温厚な雰囲気からはちょっと想像が付き辛い。
ガタイはいいけどむしろ大人しめの普通のお兄ちゃんといった風貌なので、
こりゃあ変な連中も余裕で絡んでくるわけだ。


それにしてもいつも不思議なのは、元不良さんで相当の悪を尽くした人に限って、
信じられないくらい温厚で丸くなる人が多いということだ。


運送業界にいたおかげで、普段滅多にお目にかかれない不良さんと接する機会が多かった。

番長三上のアニキ(脳みそキャラクター参照)もそうだし、
元夜路死苦系として散々ネタにして笑わせてくれたドライバーの高崎さんもそうだった。



彼らが必ず口にするのは


「昔はすぐにキレて暴れる手のつけられないヤツだったけど、
  今はやり尽くしたせいか周りのみんなに
  “信じられないくらい変わった”“人が違うみたいだ”と言われるよ」



という台詞。


そういう類の怒りというのは、ある一定の目盛りを超えると、突然消えてしまうものなのか?
“不良指数”とか測れるゲージとかあって、
“不良”がいっぱいになった途端、しゅるしゅるしゅる〜とゼロになるとか。


とにかくそーいう人に限って礼儀正しく、
そして誰よりも温厚で話が分かる口なので、ハンパな不良さんより大好きだ。



S 「でも実際、30過ぎても不良なノリを引きずってる人って結構多いでしょ」

小「あ〜、中途半端なんでしょうね。いい歳こいても不良がかっこいいと思ってる連中は」



……これだから、年齢や外見で人は判断できません。




先日の熟年ドライバー竹さんしかり、21歳という若さの小野君しかり。
私の知らないいろんな経験と知識があって、それぞれの経路でここにいる。

そしてそれはまた通過点であり、これからどう生きていくのかすらも分からない。

お互いたまたまここに居合わせただけの、そんな出会いのひとつなのだ。



出会う人出会う人、みんないろんな経験してて、いろんなことを知っている。

私はすでに世間では“女の子”と呼ばれるには厳しい年代なのに、いつまでたってもひよっこだ。

なんでこんなに何も知らなくて、普通の生活してきたんだろうと、
あまりの自分の平凡さがつまらなくてついつい嘆きたくなるぞ〜っっっ!!






小「そのうち仕事を覚えてきたら長距離も任されますよ」

S 「いや、私は近場だけで結構です。もうそういう命を削るような仕事はしません」

小「長距離行くと金になりますよ。僕は失敗してるからあんまりつけてもらえないけど」

S 「私はもういいの…君はこれからだからバンバン行くといいよ…」



RuRuRu…


小野君に会社から電話が入る。


小「え、これから仙台ですか?」



うわー、仙台っすか。
もちろん下道走るんだよね。

私はいつも高速使える会社だったからなぁ…。



小「前事故した時も、こうやって昼間仕事してから行かされたんですよぉ。
   それで疲れが出て居眠りしちゃって。あぁ、嫌な予感するなぁ」


S 「竹本さんの話なんかも聞いてるとここの配車、かなりキツイよね。
   でもそれで長年やってるから当たり前になってる」


小「そうなんすよ、体が慣れていかないから結構しんどいっすよねぇ」

S 「でもあんな年配者たちもやれるんだから、若者が出来ないはずはない、と(笑)」


小「そうそう、でもっっ」

S 「彼らは昔っからやってるから平気になっているけど、いきなり入ってきた人には厳しいよね」

小「本当ですよ〜、分かってくれますか?」

S 「事故らないように気をつけてね…」




小野君も一旦会社に戻るというので、会社まで一緒に帰ることに。



小「僕、ここで立ち食いうどん食べて行きますけど天越さんどうします?」

S 「わー、食べる食べる」


電車をほとんど利用しない私にとって、駅の立ち食いうどんは初体験。


いやしかし結構高いのね。
トラックドライバーご用達の、郊外の山田うどんのほうがはるかに安い。


あ、でも美味しい♪

なんか働いてるなぁって感じがする。





電車に乗って会社に戻り、本日はここで終了。


「お、小野ちゃんいっちょまえに先生か?」


オオジたちにからかわれまくる小野君。

その人懐っこい人柄から孫のように可愛がられている様子。


「お前なんだよそのボウボウ頭はよぉ」

「そうだ、俺たちがおさえつけて切っちまうぞ!」



両腕をそれぞれオジイたちにつかまれて、引っ張りまわされている小野君。


なんてハートウォーミーな風景。

相変わらず無邪気なオジイたちがカワユらしい♪



S 「伝票の予備がほしいんですけど、何処にありますか?」

「そこだよそこっっ!」


オジイたちが一斉に戸棚を指差す。


「○○商事の伝票も一枚持っとけよ」

「滅多にいかないから一枚でいいよ、俺は二枚目だけどなっ」





うはははははは、きました“オヤジギャグ”じゃなくて“オジイギャグ”!


典型的な古臭いオヤジギャグの更に上を行くオジイギャグ。


しかしオヤジがいってる寒いそれとは違って、
オジイがうれしそうに言うのでほほえましくて笑顔になってしまうという。


久々に聞いて妙に新鮮。

う、うれしい。






さて、帰り道私が一番はじめに捜しに行ったものは…










しっかりとした大きなリュックです。



04月15日(土)
さて、今週もすんごいことが起こってます。

(さっきも月曜の配車を確認したら、
あっさり“夜中の12時出勤”をサラリと言い放たれるし(苦笑))

とりあえず箇条書きで一週間の流れをお伝えします。




4月8日


ボロボロの身体を休めようとしている私に
「鎌倉に竹を観に行く」と言い出して鎌倉の山を連れまわされる。(拷問)
途中雨女Tomが近くを二度ほど通過したらしく、
激しい雷雨に二度襲われる。(イジメ)





4月9日


Leeさんとこの常連さんたちと
“ハーレーに乗って魅惑のフルーツを食べに行こうツアー”行う。
(のちほどツアー報告という形でご紹介します)




4月10日


研修が明け、今日から正式採用扱い。
小野君に習った方法で某ディーラーまで行き2tの引き取り、
30キロほど離れた同じディーラーに納車。
そこからまた車を引き取り、
元のディーラーに納車という動きを二回半繰り返し、計5台運ぶ。
これで某ディーラーの2tの点検確認は任せてくれ! 級に身についた。

帰り、バス停を目指して
絶対普段は歩くはずがない有料道路の横を小雨の中1.5キロ歩く。
重くてデカいリュックを背負った私の姿はどっから見てもヒッチハイカー。
恐る恐るバスに乗ると、全然違う方向へ行ってしまって慌てて降りる。(また歩く)





4月11日


昨日終った場所と同じディーラーにバスで行き、
4tダンプを引き取る。(生まれて初めて4tダンプ体験)
キャビンを軽々と上げて点検する私にビビるディーラーのおじさん。
(だってこれ、2tのより軽いんだもん)
これまた絶対にこの仕事をしなきゃ行く用事のないであろう工業地帯のディーラーに納める。

そこから最寄の駅で電車に乗り、
最終の駅でJRに乗り換えようと、人の流れについていくと、
みんな東芝に入っていき赤っ恥をかく。
(普通は人波についていきゃあ乗り換え駅のほうに行くでしょーがぁぁぁぁ)

なんとか何度も電車に乗り換え会社に戻り、事務のみなさんとご飯。
その後、事務員Aさんと一緒に5キロ程度の中古車屋まで2tダンプを納車しに。
(帰り足になってもらうためAさんが軽でついてくる)

「地図なんて読めないし運転も怖くてどこ走ってるかわからないの〜っっ」
というAさんの気持ち、すんごく分かります。
私もかつてそうでした。未だにその気持ちは忘れてません。

「大型に乗れる女性ドライバーなんていうから
 神戸支店の人みたいなすっごいバリバリの人が来るのかと思ったら、
 全然その辺にいるような普通の方なんでびっくりしました〜」

と、言われる。(神戸支店の女性像、ここでなんとなく察する)

「ここの会社は何度もはっきりと休みを主張しないと休ませてもらえないから気をつけてね」
と言われる。
「ここの会社ははっきりと主張させてもらえなくなり易いから気をつけてね」
と言われる。(す、すでに…)

会社に戻ると朝行ったディーラーに再び車を引き取りに行くことに。
(バス二回乗り換え、もうさすがに間違えないぞ)

ひっっっさびさの4tウイングに胸ときめく。
(この車に乗りたくて乗りたくてしょうがなかったのよ〜っっっ)
最後に乗ったのは3年半くらい前??うれしー♪
が、キャビンが重たくてひとりじゃあげられないしっっっ
!(現場のおじさんに助けてもらう)
独特の軋みと揺れを感じ、満面の笑みを浮かべながら会社の駐車場へ。

足車として事務員Bさんが迎えに来てくれた。

「ここの会社は何度もはっきりと休みを主張しないと休ませてもらえないから気をつけてね」
と言われる。
「ここの会社ははっきりと主張させてもらえなくなり易いから気をつけてね」と言われる。
「私も週4日希望で入ったのに、電話かかってきて出てくれと言われてどうしても断れないのよ」
と言われる。




4月13日


総勢5人のおじさんたちと共にワゴン車の乗せられ
30キロほど離れた某ディーラーへ。(オヤジ天国♪)


メンバー

●足車運転役 テニス外口

●このサル山の大ボスらしい、
  長門ヒロユキを太くしてゴッつくさせたようなMr,ドカタNo1風の遠藤さん。

●口から生まれてきたようなひたすらオジイギャグ満載の百姓顔のコメディアン畑中さん。

●一こ年下の新人の須々木さん。
  (メガネの細面。トロロにこだわりがあるらしい)

●他業種かに転職してちょっと経ったくらい?の、
  立ち振る舞いがしっかりとしてナイスミドル太矢さん。

●と、私…


大ボス長門とコメディアン畑中さんの漫才コンビがギャグ炸裂。
子供みたいにワガママで無邪気な長門をあやすコメディアン、
それを突っ込むテニス外山。
オヤジたちの頭のよさと回転のよさ、知識の豊富さに圧倒。

やっぱり毎日違う状況の中、
自分で考え行動しながらあらゆる手段を駆使して何処にでも行き、
死にそうなトラブルも処理して生き残ってきたオヤジたちは強靭!

トラックドライバーらしい道やうまい食べ物、温泉の話だけでなく、
歴史や文化に異様に詳しい長門。
普段はバカ丸出しなのに、
冷静な分析とするどい視点を持っているあなどれないコメディアン。
ふたりにタジタジのナイスミドルとトロロメガネ。
終始指導員の立場でいろいろ教えてくれるテニス。
(女癖さえなければいい人なんだけどなぁ)

30キロほど離れたところにエスティマを運ぶ事に。
(竹野さんからトリビーを借りていた事実に改めて感謝)
それを計3回ずつ繰り返す。

すばらしき裏道のスペシャリスト長門。
どっから見ても昔風の頑固なドカタのおとっつぁんなのに、
ちゃんと携帯のナビウォークを使いこなす。

途中、竹さんと森さんというお兄さんを拾う。
(計7人の作業着姿の男の中にポツンといる私…(笑))

竹さん、今度会社代表で優秀ドライバーに選ばれ、
10年無事故無違反を表彰してもらうため、
社長と専務と共にリッチなホテルで
立食パーティーに参加することが決定してうれしそう。
(でも着ていく服がないと嘆く)

朝6時に集合し、三回終えた時点で16時半。結構ヘトヘトだとゆーのに
「もう1回くらいやんねーとたりねぇなぁ」と長門&コメディアン。おいおいおい!

私の死にそうなくらい重いリュックとは比べものにならない竹さんの軽いカバン。
(すんごい小さな折り畳みの地図一冊しかもってないし)
「1000円のだから金具がプラスチックですぐダメになるんだー」って、
もすこしいいの買おうよ竹さん(笑)



4月14日


行き慣れた某ディーラーから4tウイング引取り。

昨日長門さんから
“キャビンが持ち上がらないときは、両側のドアを全開に空けてやればいい”
と伝授され、その通りやったら軽々開いて感動♪

今まで様子を見ていた工場のおじさんたちが次々に声をかけてくる。
(職人さんたちってはじめはとっつきにくいんだけど、
なじむほどに優しくなる人多いよね)

行き慣れた30キロほど離れた某ディーラーに届け、そこからバスに乗り某駅へ。
その駅から各駅停車で三つ目の駅に用があるのに、来る電車来る電車急行ばかりで焦る。

あ、次の駅まで行って各駅に乗り換えるのか!と、気付いた時には3本逃し、20分経過。

しかし昼間のバス移動はご老人たちばかりだなぁ…
(何処に行っても老人ホーム行きのバスみたい)
その駅からバスで一般企業に納められた新車を引き取り
20キロほどのディーラーへ。(新車怖い)

自分の家の最寄の駅まで到着。(願わくばここで上がらせてくれれば…)
な、わけなどなく、そこからまたバスに乗ってオークション会場からダンプを引き取り、
本牧埠頭ニュージーランド行きの指令。

バスは間違えるは、オークション会場は広くて車はみつからないは、
違う車引き取りそうになるはでテンテコマイし、
ようやく引き取り本牧に向かったはいいものの、どこがニュージーランド行き???

大型トレーラーとスペシャル特大フォークがガンガン行きかう
女子供はおとといきやがれな無法地帯の埠頭の中を、
泣きそうになりながらひたすら頭を下げて走り回り、
警備員のおじさんに場所を聞いて、ようやく納車先に着いたと思ったら…

「何時だと思ってるんだ、うちは16時半までって言ってるだろうが!!」

と、ヤバそうなおじさんとおばさんにドヤされドツかれ酷い目に合う。
(ちなみにジャスト16時半だった)

だってぇぇぇぇ、私時間なんて聞いてないしぃぃ、でも間に合ったんだしぃぃぃ!!
今にも会社に文句いってやる!風だったので、綾戸さんに報告の電話。

綾「あぁ、あそこのオヤジいつもそうだよ、気にしないで〜」 

(っつーか、綾戸さん、間に合ったからいいものの
あなたが私に時間指定を言わないのが悪い)

埠頭のバス停などあるわけもなく、二キロほど先のバス停を目指して歩く。
トレーラーやフォークに轢かれそうになりながら、
疲れと理不尽と恐怖が重なり、思わず涙がこみ上げてくる。

どこをどうやって帰ったのか分からないが、なんとか家に到着。



と、以上が今週一週間の流れでした。


しんどい。

とにかくしんどい。


荷物が重たすぎるので、先日リュックを買ったばかりだったけど、
本日キャリーバッグを購入しなおした。




それでも結構、自分ですべて考えてパズルを解くようで仕事の楽しさなはまってきた私。

なにより達成感と到達感がハンパじゃない!

やばいやばい、はまるかも。
また命削る仕事にはまってしまうのか??



まぁ、しかし、給料日の〆と支払の関係で、二ヶ月丸々給料が入らないだけじゃなく、

毎日交通費&通信費&燃料代がバカスカ出て行く。

しかもこれだけ1日動いて一体いくらになっているのかも分からない状態。

一体私はいくら給料がもらえるんだ???




まぁ、とりあえず一ヶ月、三ヶ月くらい様子を見て、
あまりに割りが合わず休みももらえず、
創作との両立が厳しそうなら辞めるとして、それまではとりあえずやっていこう。

まぁ、今のところせいぜい4時起き程度だし、
近場を回してもらっているからなんとかなるかなぁ…



と、思っていたところ。



さきほど、月曜日の配車をFAXしてもらい電話で確認。

場所は浜松の手前あたり。


S 「えーと(時間指定あったらまたドヤされるからな)何時までつけばいいんですか?」


綾「朝一で入れてほしいの。8時には空いてるから〜」

S「(そーゆー大事なことを聞かないと言ってくれないんだからこの人は(苦笑))
   朝一となると、何時にこっち出ればいいですかね?」

綾「んー、3時くらいじゃな〜い?」(しれっと)

S 「さ、3時ですか?朝3時??」

綾「竹さんも向かう予定だから電話して聞いて一緒に行けば?
 帰りはバスか電車か分からないけど、
 帰ってきたらもう一発あるから途中で電話してね」
(あっさり)


もう一発あるのか??!


竹さんに電話して確認。


S 「月曜日、竹さんと一緒らしいんですけど」

竹「あぁ、そうなの」

S 「何時頃出ますか?」

竹「んー、そうだなぁ。余裕もって11時かなぁ」



じゅういちじ??????


S 「あ、綾戸さんは3時って言ってましたけど…」

竹「3時じゃ8時納車は無理だよ、うん、じゃあ2時にしようか」


S「え、あ、11時でいいですよ?」

竹「じゃあ間をとって12時にしよう」



じゅ、じゅうにじ。


じゅうにじってことは…、えーと、えーと…


あ、でもその後普通にもう一発仕事あって、
その翌日も多分朝早いだろうから…



えーと。



えーと。




一体何時に寝て何時に起きればいいの???